🧭 背景と進展
- 米下院は2025年7月17日、「Crypto Week」の一環で暗号関連の3法案を可決しました 。
- GENIUS Act(ジェニアス法案):ステーブルコイン(米ドル等に価値連動する暗号資産)の発行ルール確立 → 上院を通過し、大統領の署名を待つ段階 。
- CLARITY Act(クリアリティ法案):暗号資産が「証券」か「商品」か明確にする仕組み → 下院通過、上院審議へ 。
- Anti-CBDC Surveillance State Act:中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行を禁止し、政府の監視を防ぐ法律 → 下院通過、上院で審議中 。
🔍 各法案をやさしく要約
1.
GENIUS Act
(ステーブルコイン規制法)
- 発行には「1:1の裏付け資産(米ドルや国債など)」を義務化。
- 預金のような再利用(リハイポテーション)を禁止、顧客資産を分別管理。
- 破綻時には顧客の優先弁済を確保。
- 反マネーロンダリング(AML)や制裁規制を適用 。
- 「証券・預金」ではなく「支払い手段」として明文化。
- 民間・銀行による発行も可能。
- 2027年までの移行期間付き ()。
→ ポイント:消費者安心+イノベーション推進
2.
CLARITY Act
(暗号資産分類法)
- 暗号資産を3つに分類:
- Digital Commodities(ビットコイン・イーサなど) → CFTC(商品先物取引委員会)が担当
- Restricted Digital Assets(証券型トークン)→ SEC(証券取引委員会)が担当
- Permitted Payment Stablecoins → GENIUS Actによる規制枠組みで扱う 。
- トークン発行者は、SECまたはCFTCへ登録・届出する制度。
- CFTC傘下の取引所は顧客資産保護や透明性を義務化。
- 年間7500万ドル未満の資金調達に限定した簡易ルートも用意 。
→ ポイント:暗号資産のルールが「誰が監督するか」明確に
3.
Anti‑CBDC Surveillance State Act
(中央銀行デジタル通貨禁止法)
- 米連邦準備制度(FRB)による小口のCBDC(デジタルドル)発行を禁止。
- 市民のプライバシー保護を目的 。
🌟 メリットと注意点
メリット
- 規制の明文化で市場が安定・拡大へ
- ステーブルコインの信頼性向上 → 決済や送金で広がりやすく
- 投資家・利用者にとって安心な環境作り
注意点
- 一部では「規制緩すぎ」「大企業に有利すぎる」の声も(例:エリザベス・ウォーレン議員など) ()。
- 上院での修正や反発が予想され、最終形はまだ不透明 ()。
✅ 全体まとめ
法案名 | 目的 | 進捗 |
GENIUS Act | ステーブルコインの安全な発行 | 上院通過/下院可決/大統領署名待ち |
CLARITY Act | 暗号資産の分類と監督責任明確化 | 下院可決/上院審議中 |
Anti‑CBDC Act | CBDCの発行禁止 | 下院可決/上院審議中 |
今回の動きは、米国における暗号資産規制が「Wild West(無法地帯)」から「ルールある市場」へ進化しつつある重要なステップです。
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