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「人は使うけど、会社は潰れる。」起業と雇用の現実

起業して2年。仲間と会社を大きくしようとした。
人を雇い、融資を受け、事業を拡大。
でも、思うようにはいかなかった。
社会保険料、人件費、使えない人材。
そして、別れ際にはまさかの“損害賠償請求書”。
それでも僕は、今に繋がる教訓を得た。

2014年頃。起業して1〜2年が経ち、ある程度の売上が立ち始めた頃、僕たちは動きを広げすぎてしまった。

融資を受け、事業を拡大。その中で登場したのが**「S木」という初老の女性**だった。


彼女を社員として雇用し、毎月の給料と社会保険料を支払う体制にした。

この“社会保険料”が経営を直撃するなんて、当時は想像もしてなかった。
会社が半分負担する制度。つまり、雇う側にとっては給料の1.3〜1.4倍が人件費になる。

これ、起業した人なら誰もが一度は頭を抱える問題やと思う。


「売上が上がってるから、雇っても大丈夫だろう」
「これでさらに事業が拡大するはずだ」
そんな甘さがあった。

でも、現実は違った。


人は雇った。
だけど「稼いでくれる人間」ではなかった。

使えない人材に給料を払い続ける日々。
成果が出ないのに、社会保険料だけはしっかり引き落とされる。
これが積み重なり、資金繰りを圧迫した。


「このままじゃ会社が潰れる」
そう感じた瞬間、僕はようやく理解した。

会社経営は、稼げる人と組むかどうか。
そして、“使える人”を“使えるタイミングで”使う資本力が必要なんや。


📌「雇う責任」と「切る責任」

「一度雇ったなら最後まで責任を持て」
よく言われるし、理想論としては正しい。
でも、現実はそんなに甘くない。
稼げない。貢献できない。会社が潰れる。
だったら、責任を持つ相手は「会社」や「家族」でええやろ。
無理して“情”だけで雇い続けてたら、共倒れになるだけや。


📌「経営者は、冷たく見えても“仕組み”で守る」

人を救いたいなら、まず仕組みで支えること。
雇用って、感情だけで動いちゃいけない。
仕組みがあって、利益が出て、その中でようやく人を支えられるんや。


労働裁判にもなった。弁護士とのやりとりも、精神的にかなり疲弊した。
しかも弁護士の報酬もすごい金額で、さらに追い打ちをかけるようだった。


結局、僕はその会社を離れることになる。
…けど、その後、まさかの展開が待っていた。

📌「損害賠償請求書」を見た瞬間

弁護士から届いた封筒。
見た瞬間に全身の血の気が引いた。
「こんな別れ方、あるか?」
悔しさよりも、虚しさが残った。

“損害賠償請求書”が弁護士から届いた。

いい別れ方ではなかったが、それはないと思った。
そのころは、現金がまだあったのと、当時所属していた“有名な若者の会”に支えられていたから出したのであろう。
こちらも有識者に相談できたのが救いだった。


このときの失敗。
その後の悔しさ。
今でも、自分の経営スタイルを作る基礎になってる。

「絶対に、人を雇うときは慎重にする」
「稼げる仕組みなしに、誰かの人生を背負わない」
その原点が、ここにある。

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